大きくはリハビリテーション医学に属する療法のひとつになります。
リハビリテーションと言うと、スポーツ選手が怪我した時のそれや、脳卒中後遺症へのそれなどの認知が一般的には高いと思われます。
しかし、リハビリテーション医学が対象にするのは、全ての障害者であり、精神障害者も当然その中に含まれてきます。
中でも、作業療法は明治時代から、精神病者の回復の手段として用いられていたという長い歴史を持っています。「では、具体的には何をやっているんですか」、と聞かれると、一言で即答するのはかなり難しいのですが、病いや障害によって生活に支障をきたしている人が、治療を受け、生活者としての権利が保障され、生活の場へ参入し、再定住できるように、具体的な作業活動を手段として、障害を軽減し、新たな生活技術の習得を援助することである。
今のところ当病院での作業療法は、入院中の対象者がほとんどであるため、心身の基本的機能の回復と改善が目標になるものと考えています。
具体的に、作業療法とは?
誘われて散歩に出てみるといった程度から、一人ではする勇気や意欲もなかった遊びやレクリエーション、身の回りのことなどを作業療法士の援助や仲間の協力で 試みてみる。外出に向けて少しおしゃれをしてみる。新しい趣味を持つ。初めてのテニスに挑戦し楽しみながら身体の機能を取り戻す。といった普通の生活レベ ルの作業活動に自然に取り組めるようになることです。
ただ、健常者にとってはごく普通にできることであったとしても、障害者にとっては容易にはできないことが少なくありません。その人らしい生活が取り戻せる ように、段階を経ながら自己実現へ向けての取り組みを援助していく、それが作業療法であると思っています。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 | 朝の会 | 朝の会 | 朝の会 | 朝の会 | 朝の会 |
午後 | ショッピング | カラオケ | 機能回復訓練 | 映画鑑賞 | クラフト |
定期的なプログラムの一例として、上記の週間プログラムを紹介していますが、季節によって祭りやクリスマス会なども実施しています。また、活動の種類は多ければ多いほど良いと考えており、今後も新たな活動を取り入れていく予定です。
入院患者さんについては、原則的には材料費・道具代などの負担は必要ありません。作品は製作した本人のものとなります。(個人的な趣味を活動時間中に行いたい場合は例外とします)
道具・材料などは病院で準備します。木工やスポーツ活動のときは、動きやすく洗濯が可能な服装、運動靴での参加をお願いします。また、院外へ外出するときには行く場所にふさわしい格好については指導をすることがあります。